和泉くんの考えてることはわからない。
「不安には……なりましたけど、私も事情を知らなかったので…。その、ごめんなさい」
「え、いいよいいよ!花宮さんは悪くない!」
ブンブンと手を振る久野さんは、改めて見てもやっぱり可愛いと思った。
それは、蒼くんも心配かけたくなるよね。
あの雨の日に久野さんを1番に心配したのも納得がいく。
よく2人で出かけたのも、病院に行くのに付き合ってもらってたそうだ。
「でもね、もう断ったから。花宮さんみたいな可愛い彼女がいるのに、あたしに付き合ってたらダメだよって、ちゃんとアオちゃんに言った」
「え」
「だから、安心して?あたし、アオちゃんにもマコちゃんにも素敵な人と幸せになってほしいもん」
にこりと笑う久野さんは、本当にいい子だ。
その笑顔に、私までつられて笑顔になってしまう。