和泉くんの考えてることはわからない。
「…はんへふは」
「ん?なんて?」
顔を潰してるのは蒼くんなのに、とぼけてそんなことを言う。
「なんですか」って言いたかったのに……って、そうじゃなくて。
「俺が今栞里を好きな事に変わりないでしょ?……って、ごめん。流石に意地悪だったか」
眉を下げて謝る蒼くんに、あぁ、と思った。
パッと手も離してくれて、言葉が自由に発せられる。
「蒼くん、私のこと好きなんだね」
「……は?」
思い切って思ったことを口にすれば、蒼くんは怪訝な顔を見せた。
一方の私は、余裕が少しできてヘニャリと笑う。