和泉くんの考えてることはわからない。


照れたり、笑ったり。今日は色んな蒼くんが見れて嬉しい。



「いいの!だって蒼くんとずっと一緒にいられるんだよ?それは報告しなくちゃでしょ!」

「ほんと、花宮さんはバカだね」



よしよしと頭を撫でられて、蒼くんの表情はどこか満足げ。



「勝手に嫉妬してたのがバカらしくなったよ」

「え?」

「なんでもない」


蒼くんが口にした言葉が上手く聞き取れなかったけれど、さっきの不機嫌を微塵も感じさせない表情に、私も安心した。



「もう、栞里!急に動かないでよ!」

「あはは、ごめんごめん」

「全く〜」



後から追いかけてきた早苗に怒られて、蒼くんの隣にいた大原くんに笑われたけど、私は幸せでいっぱいだった。



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