和泉くんの考えてることはわからない。
***
「ちょっと栞里!どういうこと!?」
「あ、あははは…」
あれから慎くんと別れて教室へ滑り込んだのは、朝のHRのチャイムが鳴る3秒前で。
やっとそのHRが終われば、後ろの席の早苗は物凄い興味津々に私を問い詰めた。
「ち、近いよ早苗さん…」
「んなことどうでもいいっ!誰、あのワンコ系イケメンは!」
「…へ?」
少し自分の予想してたのと違うツッコミに、変な声が出る。
ワンコ系……って、慎くんのことだよね?
「あの子は従兄弟の慎くん。弟みたいなもんだよ」
「弟?」
「そう、弟」