和泉くんの考えてることはわからない。
慎くんが、うちの学校の新入生?
信じられなくてパチパチと瞬きをしてみるけど、やっぱり目の前にいる慎くんは明らかにうちの男子生徒の制服を着ている。
そして、ネクタイは1年生を示す黄色だ。
「お婆ちゃんとお爺ちゃんには言ったよ?」
「なんで私には教えてくれないの…」
「栞里ちゃんを驚かせようと思って!」
えへ、なんてお茶目に笑う慎くんは本当に可愛くて。
「あーもう、やられた…。慎くん可愛いから許す」
「やったっ」
姉弟同然に育った弟のサプライズに、私はまんまとやられてしまった。