見た目通りには行かない





尊はスマホを取りだして確認した
尊に電話なんて珍しいな……


!!!


そのまま携帯を耳にあてて出ていった



「お、おい、光輝………た、尊が笑ってたぞ、いや、あれは……ニヤけてた」


変な汗が出る
あの、尊が?
尊の笑顔なんて見たことあったか?
いや、年に片手で足りるくらいだ!
しかも、ニヤけ顔なんて

さっきまで俺を殺すような目を向けてたのに?



「あー、たぶん彼女だろ?」


元カノの時でもあんな顔みたことないぞ?


「ま、まじ、尊が惚れてんの?」

「うん、いい子だよ」


光輝もなんだか、優しい
まじでいい女なんだろうな

そりゃ、三人が惚れるくらいに


「組長とも組員とも問題ないと思う」

「へぇー、なんか知らない間に……」


尊が戻ってきた
明らかに口元が緩んでる
こころなしかオーラがピンクだ



「なんて?」

「飲んで帰るって、帰り迎えに行く」


迎えに?尊が?
おいおい、元カノの時に俺たちといても迎えには行ったことないだろ?
えらく、元カノとの差を感じるな


差を感じると共に尊が元カノの時よりも彼女を好きなんだと思えて嬉しくなった
あんな事は忘れて欲しいから



「はは、麗ちゃん、断ってきただろ?」

うらら?



「え?お前の彼女「おじさん!今日はめっちゃ可愛いゲスト連れてきたよ~」」



"うららって言うの?"って問いかけはその麗に掻き消された



「「麗?」」「麗ちゃん?」



え?
俺たちは三人で顔を見合わせた


「あれ?お兄ちゃん?光輝さん?尊さんも?!」


「あーあ、早かったなぁ」



七瀬の楽しそうな声だけが響いた





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