“あなたを愛しています”
その言葉ではっとした。
この装花はただ注文した花を盛るだけではない。
司君が自ら市場に出向き、選び、そして作られたのだ。
その交通費も手間賃もいらないと言ってくれているのに……!!
司君の言葉を聞いても、佐藤さんは浮かない顔をしていた。
そして夫を見つめて高い高いとぼやく。
だから私は……とうとう言ってしまった。
「いい加減にしてください」
その声は、怒りに満ちていたのかもしれない。