“あなたを愛しています”
佐藤さんはびっくりして私を見る。
佐藤さんだけでない。
隣に立っていた司君も、近くのブースで打ち合わせをしていた由希さんまで!
それでも、プッツンした私は止まらなかった。
「この半額?
私の経験上、それはあり得ません。
当ホテルでは、桜庭さんの提示された価格の、四、五倍はかかります。
それに……桜庭さんが自ら生けられたんですよ?
普通に桜庭さんに頼むと、一卓十万円以上はしますよね!?
それも理解してくださらないなら……私からはもう、何も出来ません」
あー……
やっちゃった。
無理ですと言えばいいものの、余計なことを言っちゃった。
そう思った時はすでに遅し。
佐藤さんは泣きそうな顔で、仁王立ちする私を見上げていた。