“あなたを愛しています”







寒く凍える冬の道を、司君と一緒に歩いた。

雪までちらちら降っているのに、司君といると身体が熱くて、寒さなんて感じないほどだった。




ちらりと司君を見上げる。

スーツの上に、落ち着いたコートを着てマフラーを巻いている。

茶色がかったミディアムヘアに、整った優しげな顔。

そんな司君にドキドキが抑えられない。

だけど……この気持ちに、司君も気付いているんだ。

それでいて、告白する様子もない。

だから……やっぱり私の片思いだよね。

そう思うと胸がきゅーっと痛む。



出会って少ししか経っていないのに、まるでドラマのように恋に落ちた。

だけど、恋に落ちたのは私だけなんだ。



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