“あなたを愛しています”





気を取り直して、背筋を伸ばす。

落ち込んでいる、なんて司君に知られたくなかったから。

そんな私に、



「お疲れ様。

花奈ちゃんと仕事出来て、なかなか楽しかったよ」



司君は思ってもいないことを言ってくれる。





私と仕事出来て……

楽しかった?

私のせいで司君は花器を割ってしまったし、私が佐藤さんにブチギレて、司君にフォローさせてしまったし。

よくよく考えれば、司君に迷惑かけっぱなしだ。


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