“あなたを愛しています”





俯く私に、



「花奈ちゃん、すごく優しいよ?」



司君は言う。




「見ず知らずの俺の探し物を、一時間も手伝ってくれた」




だけどその後付きまとわれて、



「キレてしまった」



「でも俺、ちゃんと叱ってくれる人のほうがいいんだよ?

さっきも言ったよね?」






司君は罪な男だ。

そうやって、ダメな私を甘やかすのだから。

そうやって、私を正当化してくれるのだから。

そんなんだから……ますます離れられないじゃん!


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