“あなたを愛しています”
「あ!クローバー!!」
不意に楽しそうな声を上げ、私の手を引く司君。
ぎゅっと握られた手は熱く、発火すらしてしまいそう。
私は司君の一挙一動にこんなにも狂わされているのに……
「すごいねぇ。
こんなに寒いのに枯れないんだぁ」
彼は無邪気にベンチの下を覗き込む。
そこには、冷たいアスファルトの間を縫って、たくさんのクローバーが力強く生い茂っていた。
「俺さぁ、綺麗な花よりもずっとクローバーが好きなんだよ」
有名なフラワーデザイナーらしからぬ言葉、だけど、司君らしい言葉だった。
そしてその言葉が、いちいち胸をぎゅっと掴む。