“あなたを愛しています”
それから、司君が気になって仕事どころではなかった。
司会者と打ち合わせをしている間も、シェフの藤井さんと話をしている時も、司君の席から目が離せなかった。
そんな私を、
「松島さん、大丈夫ですか?」
気遣う藤井さんの言葉ではっと我に返った。
「大丈夫です、大丈夫です!!」
慌てたものの、ことすでに遅し。
藤井さんは何やらニヤニヤしながら私に聞く。
「彼氏っすか?」
その図星な言葉に、
「!!!?」
真っ赤になってしまった。
あー、もう!
このすぐ顔に出る性格、何とかして欲しい。
私にはポーカーフェイスが出来ないのか!?