“あなたを愛しています”




……え!?



胸がどくんと鳴った。

何かの間違いかと思った。

だが、こんな変わった名前の人は彼しかいないだろう。




震える手で、席次表を開く。

その真ん中あたりにも、やはり書かれていた。



『新郎 大学時代の友人 桜庭司様』





……大学時代の友人!?

まさか司君、K大学出身なの!?



司君のことを考えると、身体が震える。

だけど、この震えは甘い気持ちのせいだけではない。

だって……私が担当する式に、司君が出席するのだから。

結婚式に慣れた司君は、私の担当する式を見て、何を思うのだらう。


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