“あなたを愛しています”
司君を目の端で捉えながらも、気にしないように気にしないようにと自分で言い聞かせた。
一方、司君は私を見てドキドキしないのかもしれない。
友達と笑っていたり、新郎新婦の写真を撮っていたり。
挙げ句の果てには、思いっきりジャンプしてブーケトスのブーケを取ってしまったり。
そして、
「おい司ー!!空気読めよ!!」
なんて大ブーイングを食らっていた。
司君、友達の前でもこんな調子なんだ。
K大学だなんて超頭いいのに、やっぱり抜けてるんだなぁ。
司君を見ると、自然と笑みがこぼれてしまった。
それで、緊張も少しずつ和らいでくる。
私は私らしく、いつも通り仕事をすればいいんだ。
ようやくそう思えたのだった。