“あなたを愛しています”





司君を目の端で捉えながらも、気にしないように気にしないようにと自分で言い聞かせた。

一方、司君は私を見てドキドキしないのかもしれない。

友達と笑っていたり、新郎新婦の写真を撮っていたり。

挙げ句の果てには、思いっきりジャンプしてブーケトスのブーケを取ってしまったり。

そして、



「おい司ー!!空気読めよ!!」



なんて大ブーイングを食らっていた。




司君、友達の前でもこんな調子なんだ。

K大学だなんて超頭いいのに、やっぱり抜けてるんだなぁ。




司君を見ると、自然と笑みがこぼれてしまった。

それで、緊張も少しずつ和らいでくる。

私は私らしく、いつも通り仕事をすればいいんだ。

ようやくそう思えたのだった。



< 148 / 353 >

この作品をシェア

pagetop