“あなたを愛しています”







無事に挙式を終え、ゲストは披露宴会場へと移動する。

私は最後尾を歩いていたと思ったのだが……





「花奈ちゃん、お疲れ様」




後ろからその声が聞こえて、ビクッと飛び上がった。

恐る恐る振り向くと、白いブーケを抱えた司君が立っていた。

茶色がかった髪をしっかり整え、黒いスーツを着ている。

そんな司君が不覚にも、いつも以上に輝いて見えた。

そう、まさしく王子様だ。


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