“あなたを愛しています”





出会って数週間だったのに、瞬く間に司君に堕ちていった。

もう、司君のことしか考えられないほどに。

司君が凄い人だから惚れたの?

……確かにきっかけは、そうかもしれない。

だけど今は、司君の全てが好きだった。




ピンチになると助けてくれるところ。

義理堅いところ。

時々変なことを言ったり、興奮して花器を割ったり。

そんなおっちょこちょいなところも大好きだったな。

あとは、確信犯の関西弁とか。





……関西弁か。

あの女性が関西弁を嫌うから、司君も話してくれないんだね。

そう思うと、胸が割れそうなほどきゅーっと締め付けられるのだった。




好きだった。

司君のこと、本当に好きだったんだよ。


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