“あなたを愛しています”
司君は私と付き合っているのに、元カノに会ったんだ。
そしてそれを悪いこととも思っていないんだ。
末期だ。
浮気性の人の末期症状だ。
浮気しすぎて、善悪の区別もつかないんだ。
私はこんなに好きだったのに。
好きなのは、私だけだったんだ。
浮かない顔の司君の綺麗な頰を……
思いっきり殴っていた。
それも、げんこつで!!
拳に痛みが走る。
だけど胸のほうがもっと痛かった。
「痛ァッ!!
ちょっと……花奈ちゃん!!」
頰を押さえて泣きそうな顔をする司君に向かって、泣きそうな顔で叫んでいた。
「司君なんて、大嫌いだから!!」
大嫌いのはずがない。
こんなにも好きだったのに。
浮気性の司君は、私の気持ちを弄んだだけなんだ。