“あなたを愛しています”







結局、クローゼットの奥底にしまってあった花瓶に水を入れ、袋から出した花を刺すだけで終わった。




「うわー。

なんだか小学校の教室に飾ってある花みたいだねぇ」




司君は褒めたつもりのようだが、ますます落ち込んでしまった。

私は落ち込んでいるのに、司君は嬉しそうだ。




「ちゃんと毎日水あげよぉ!

花奈ちゃんだと思って育てよぉ!!」




そんなことを言わないで。

いちいちドキドキしてしまうから。

胸のキュンキュンが止まらないから。


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