“あなたを愛しています”









改めて部屋の中を見回す。

親の手によってきちんと整頓された俺の部屋。

純和風のこの離れの中にあるとは思えない、洋風の部屋。

フローリングに、勉強机。

某高級ブランドのベッド。

飾っていたサッカー部のメダルなんかは捨てられている。

それを見て、怒りすら沸き起こる。






俺は……こんなところにいてはいけない。

帰る場所があるのだから。

花奈ちゃんに会いたいよ。

花奈ちゃんじゃなきゃ、駄目なんだ。

花奈ちゃんを悲しませたくない。


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