“あなたを愛しています”








俊介さんが、部屋の襖を開けた。

立派な和室の奥には、父親と母親が座っている。

その向かいに、二人の女性が座っていた。

見たこともない黒髪の女性と……居づらそうに俯く花奈ちゃんだった。





花奈ちゃんをこんなことに巻き込んで申し訳ないと心から思うと同時に、花奈ちゃんを見ると胸の奥がきゅーっと痛くなる。

黒髪の女性なんて気にならないほど、花奈ちゃんしか見えない。


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