“あなたを愛しています”
司君の気持ちを完全には分かれないかもしれない。
だけど、今まで人一倍苦労して、人一倍理不尽な思いをしてきたはずだ。
これ以上、司君に辛い思いをして欲しくない。
そう思うのに……
当然、父親の心には響かないようだ。
「なにを……生意気な……」
そう、司君に掴みかかろうとした時だった。
「もうやめにしまへんか」
悲しげに、だが凛とした声でそう告げたのは、なんと司君の母親だったのだ。