“あなたを愛しています”
そんな中……
ブチ切れた父親をしっかりと見て、司君は言う。
「お父さん、出来損ないの息子でごめんなさい。
でも、これ以上お父さんの言いなりにはなりません」
部屋の中が静かになり、父親は怒りに満ちた顔でそっぽを向く。
司君さえ殺してしまいそうなほどの怒りに、恐怖すら覚えた。
だけど司君は強かった。
「俺が道を踏み外したのも、お父さんの責任です。
俺は操り人形じゃないから。
今まで大切なものを全て奪われて……もう、花奈ちゃんまで奪わないでよ」
静かに言うのに、まるで叫んでいるみたいだった。
その言葉が、私の胸を締め付ける。