“あなたを愛しています”
「花奈ちゃん、ご飯食べた?」
「ううん」
首を振った私に、
「本当?じゃあ食べに行こうよぉ!
俺、お腹ぺこぺこなんだぁ」
困った顔で司君は言う。
その、いじらしい表情さえ私の胸を掻き乱す。
そして、そんな自分が憎かった。
私はこんなにも司君に動揺しているのに、司君は至って普通だ。
おろおろしている私の手を、司君はいきなりぎゅっと掴む。
それでびっくりしてドキドキして、ひっくり返りそうになった。