“あなたを愛しています”
ぼんやりとかっこいい司君を眺めながらはっとした。
私はこうやって司君に惚れ込んでしまったけど……
今日来た目的は違う。
佐藤さんの件、相談しなきゃ。
我に返って座り直し、背筋を伸ばした。
ほわーっとした表情で、美しい日本庭園を眺める彼を呼ぶ。
「司君」
「なぁに?」
そう言って綺麗な瞳で私を見るから、またまた顔が熱くなってしまう。
だけど負けてはいけないと思い、佐藤さんの件について話をする。
奥さんがお花の先生だということ。
スタイリッシュで安い花屋を探しているが、見つからないこと。
そして、大切なお客様であることも付け加えた。