“あなたを愛しています”





ぼんやりとかっこいい司君を眺めながらはっとした。

私はこうやって司君に惚れ込んでしまったけど……

今日来た目的は違う。

佐藤さんの件、相談しなきゃ。




我に返って座り直し、背筋を伸ばした。

ほわーっとした表情で、美しい日本庭園を眺める彼を呼ぶ。




「司君」



「なぁに?」




そう言って綺麗な瞳で私を見るから、またまた顔が熱くなってしまう。

だけど負けてはいけないと思い、佐藤さんの件について話をする。

奥さんがお花の先生だということ。

スタイリッシュで安い花屋を探しているが、見つからないこと。

そして、大切なお客様であることも付け加えた。


< 69 / 353 >

この作品をシェア

pagetop