“あなたを愛しています”





司君はうんうんと話を真剣に聞いてくれて、その姿勢に安心する。

きっと、いい店を教えてくれるだろう。

私は確信に至ったが……





「うーん……その人贅沢だねぇ」




意外な言葉に落胆してしまった。

だけど、司君の台詞はもっともだ。

その言葉を、吉川さんも由希さんも吐いていた。

だから、きっと私の考えが甘いのだ。



でも……




「予算不足なのに、私を気に入ったという理由で式を挙げてくれるから……」




だからなおさら後悔させたくないと思ってしまうのだ。


< 70 / 353 >

この作品をシェア

pagetop