“あなたを愛しています”
極め付けは由希さんだ。
「あー、花奈ちゃんと密会していたイケメンが、桜庭さんだったってわけね」
腕を組んでニヤニヤ笑いながら私を見る。
「みっ、密会!?」
確かに先日、司君と会っていた。
だけどそれは、密会とは程遠いものだった。
ニヤついた由希さんは、司君に向き直る。
そして、
「桜庭さん。花奈ちゃんは、不器用で鈍くって無駄にお人好しだけどいい子だから」
余計な言葉を吐き始める。
それにしても、由希さんは酷い。
私のこと、散々な貶しようだ。
ちーん……
まさしくその効果音がお似合いだった。
司君の前で散々茶化された私は、真っ赤な顔で俯いていた。
そんな私の耳に……柔らかな司君の声が飛び込んでくる。
「分かっています。
……花奈ちゃんは、優しいいい子ですから……
だから俺……」