“あなたを愛しています”
由希さんと林さん、そして吉川さんは散々私を茶化して去っていった。
「桜庭さん、愚かな松島をお願いします」と言って。
その言葉の通り、本当に愚かだと思った。
愚かだと思うほど、司君が好きだ。
好き、そう思うとまた、身体が熱く火照るのだった。
三人が去っていったオフィスは、やけに静かだった。
その静寂の中、震える声で、
「うるさくてごめんね」
とだけ、ようやく告げた。
再び沈黙が訪れるかと思ったが……
「ううん。
花奈ちゃんの職場、楽しそうだねぇ」
司君が笑顔で言う。
その太陽みたいな笑顔に、また胸がときめいた。