“あなたを愛しています”





彼は持ってきた段ボールを開けながら、楽しそうに話す。




「俺、フリーランスの仕事だから、こんな職場に憧れるな」



「……え?」




思わず見上げた司君は、少し寂しげな顔をしていた。




「俺、別にこの仕事で生きていくつもりなかったんだぁ。

大学出たら普通に就職して、サラリーマンして」




その意外な言葉に驚きを隠せない。




「でも、変人だから、就職試験全部落ちちゃった」


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