“あなたを愛しています”




気合いを入れるのはいいものの、振り回した手が花器に当たり、大きくぐらりと揺れる。




「「あ!?」」




二人の声が揃った瞬間には、花器は回転しながら床へと落ちていき……


パリーン……


派手な音を立てて、粉々に飛び散っていた。





「あ……あぁぁぁ……!!」




司君は文字通り凍りついて、砕け散った花器を眺めていた。


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