ほんもの。

興味が湧いて、きちんと正座をする。

「同級生? 先輩?」

「教育実習生」

唖然とする。すごいところから球が投げ込まれた。
ああ、神様、私は安藤のこと何も分かってませんでしたごめんなさい。

「ませてる」

「向こうから告白してきて、結局俺がふられた」

「学校にばれたとか?」

「向こうが教師に乗り換えていっただけだ」

そんな、電車みたいに。
と笑おうとしたけれど、他人事ではない気がして笑えない。

今のでちょっと安藤の一部が見えた。
クールというよりは、冷めているのだ。

< 21 / 235 >

この作品をシェア

pagetop