ほんもの。
興味が湧いて、きちんと正座をする。
「同級生? 先輩?」
「教育実習生」
唖然とする。すごいところから球が投げ込まれた。
ああ、神様、私は安藤のこと何も分かってませんでしたごめんなさい。
「ませてる」
「向こうから告白してきて、結局俺がふられた」
「学校にばれたとか?」
「向こうが教師に乗り換えていっただけだ」
そんな、電車みたいに。
と笑おうとしたけれど、他人事ではない気がして笑えない。
今のでちょっと安藤の一部が見えた。
クールというよりは、冷めているのだ。