ほんもの。
私たちには話し合いが必要だ。
家に帰ると、玄関に座る長身がいた。こちらを見上げている。
「おかえり」
「……ただいま」
「困るからやめてほしい」
「うん?」
「俺、鍵かけらんねえし。あんたのこと探しに行けないから、そうやって無計画に、なにより急に出て行くの本当やめて……」
ちょっと泣きそうな顔をしてる。それを見て、私はやっと悪いことをしたなと感じる。とか言ったら怒りそうだから言わないけど。
「ごめん、なさい」
立ち上がった安藤が「こちらこそ」と言う。
「昨日の夜、安藤がファミレスに女性といるの見た」