ほんもの。
リビングに行こうとしていた安藤の背中がぴたりと止まる。
「もしかして、さっきの取引先のひと?」
コンビニのビニール袋が擦れ合う音がやけに大きく聞こえた。
「言いたくないなら言わなくても良いよ。安藤の事情だし、私には全く関係ないし。聞くのもこれで終わり。でも、見ちゃって気になったから」
振り向いた安藤がその長い腕をこちらに伸ばして、私の手首を掴む。どん、と勢い良く可愛くない音を出して、安藤の腕の中に飛び込んだ。
「嘘吐いた、ごめん」
あっさりと、嘘は暴かれた。
バサッとコンビニの袋が落ちる。