ほんもの。

手を引かれて、コインパーキングについた。車で来たらしい。

「ごめん、駐車場言えば良かった……」

「いや、勝手に来たし、初めて来たから」

「そ、そうですね……」

言外に責められているような気がして、目を逸らしてしまう。
ところで、どこに行くのでしょうか。

「その取引先」

「え?」

「さっきの電話相手と昨日の夜会ってた人間は同じ。高校のときの友達っていうのは嘘だった、ごめん。でもひとつ言い訳させてもらうと、あそこに居たのは女だけじゃない」

エンジンがかかる。ハンドルを切って、道を曲がった。

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