ほんもの。
だから、どうして安藤と紺野家の二人は会おうと思ったのか。
「うち姉弟が多いのね。そんな大家族を母はちゃんと育てた、父だって良い人だった。ずっと、どうしてかなって私の中で思ってたものがあって」
「それは裏切り、みたいな」
「そんなに重いものでもないんだけど。ただ、家族を残して勝手に死んでいくなんて、って」
その言葉は裏切りよりも重い。
少なくとも私にはそう感じた。
「姉弟の中でね、その心中のことを知ってるのが私とさっきの弟と、一番上の姉だけなの。姉はそんなこと考えたって無駄でしょうって精神で、だから二人で会いに行ったの」