ほんもの。

紺野さんの後ろについていく。

「そうなんだけど……あ、敬語とれてました。ごめんなさい」

「いえ、全然気にならなかったです」

「そうなんだけど、私の中では一番に生きてる人の方が偉いっていうのがあって」

器用に片手で大皿を持って、空いた片手で空を指さす。

「結局、どんな死に方でもね、残された方は辛いから。だから、死ぬことに一丁前な理由があってたまるかって、思った」

駐車場へ行くと、そこには立派な流しそうめんセットが出来上がっていた。

人生で初めてこんなに本格的なのを見た。

そしてそこにいた人の多さにも驚いた。確かに姉弟が多いとは聞いたけれど。

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