ほんもの。

テレビでは天気予報がやっていた。今日も明日も晴れ。

「じゃあ今日も泊まれるな」

「え、でも明日仕事」

「今日荷物取りに行けば良いだろ」

私はその言葉に振り向く。安藤がこちらを見ていた。

「……安藤と私って付き合ってる?」

「月白の期待する方の答えにする。どっち?」

「……付き合ってる方」

答えて、なんだこの羞恥プレイ、ともう一人の冷静な自分が呟く。

なんだこの甘い空気!

「やっぱり今日は家に帰る。ちょっと頭冷やす」

「却下」

新聞紙を畳みながら安藤がばっさり斬る。

私はあっという間に朝ごはんを食べ終えた。

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