ほんもの。
却下って。そんなこと言われても私は一人で帰る。
「却下されたって帰るし」
「頭冷やすとか言って変にマイナス思考になってやっぱり別れるとか言い出しかねない」
うっと言葉に詰まる。心の中をがっつり覗かれていた。
そうですよ、私はこの幸せな空間が信じられませんよ。
「三島さんと遊んでたとか言った女と付き合おうと思うって、安藤どうかしてると思う」
「そういうのが面倒くさい」
「だって本当にそう思うし!」
「全部かなぐり捨てて俺のとこ来たから、今ここにいるんじゃねーの?」
心底嫌そうな顔を安藤はしている。