ほんもの。

服の中に手が入ってきて、ブラをしていないことを後悔する。いや本当、今更。

てか、安藤のスイッチってどこにあるんだ。

服に擦れるその先が熱を持つ。安藤が中指にいつもしている指輪の冷たさまで肌が感じる。

私のささやかな膨らみは安藤の手に足らなくて、なんか本当に恥ずかしい。先の周りをくるりと指がなぞる。

「十和子、こっち見て」

いつの間にか目を瞑ってたみたいで、声のする方を向く。安藤と目が合って、ふ、と笑われる。

「顔、とろとろ」

その声に脳味噌が溶ける。

私の身体はどんどん安藤に作り変えられていってる。声に、指に、温度に。

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