ほんもの。
マスクをした高身長。
「柳田さん、また書類ミスですか?」
安藤が座っている柳田さんを見下ろして言う。私も見下されているけれど、
「安藤くん、大丈夫なの?」
柳田さんも驚いていて、私も同じことを思った。先に口にされたのが少し悔しいくらいだ。
「いえ、部長が今すぐ必要という資料だけ持ってきました。これ渡しといてください」
鞄から大きい封筒を出して柳田さんに渡す。
顔色が悪い。でも、正直に言おう。
久しぶりに見た安藤は、なんだかきらきらしていてとても格好良かった。
「社会人なんですし、書類チェックくらいしたらどうですか? じゃあ帰ります」