ほんもの。
「あの、安藤、欠勤なんですか?」
「一昨日から病欠だけど……。もしかしてその為に来たの?」
あからさまに顔を顰めた柳田さんは、溜息を吐いた。
「公私混同しないでよね。ちゃんと仕事しなさいよ」
落ち着け。
落ち着くんだ、私。
「気になったからお尋ねしただけです。お言葉ですけど、書類のチェックを毎回怠る柳田さんに言われたくありません」
……なんて、言えるわけがない。
「少し気になったので。これからは書類のチェック、ちゃんとよろしくお願いします」
書類を受け取り、退がる。背中が人にぶつかった感触がして、「ごめんなさい」と反射的に謝った。
振り向いて、驚く。