し ろ う さ ぎ
人生の中で、出会いはごく限られている。
その中で出会って恋する度に運命だと言ってみてもすれ違い、傷付いて、臆病になってしまう。
それでも、また好きになっていたりする。
だから、たまには心の赴くままに進んでみる恋も悪くないかもしれない…────────
*
年に一度だけのクリスマス。
街はどこもかしこもキラキラと光を溢している。
そこには沢山の行き交う人の笑顔が溢れていて。
幸せ一色、そんな眩しい中にもすぐに見つけた……彼の姿……。
「あっ、斎川君ー!
こっちこっちー!」
「ごめんっ!
待った……?」
「ぜーんぜん待ってないよ?」
「……嘘。
鼻真っ赤じゃんー」
「……うぅー。
ちょ、ちょっとだけね……!
ちょっと早く来ただけ!
二十分前……かなぁー……?」
「……っもう。
そりゃあ冷えるわけだよ……」
「あたしね!
体は丈夫だから大丈夫!
それよりほら行こ!」
「う、うーん……なんて言えば……いいのやら……」
「っわ!」
「うわあっ!」
「ははっ、大成功~っ。
葵、いつになったら声掛けてくるかなーって見てたのにー」
「き、気付いてたなら声掛けてくれてもいいじゃないですかぁ……!」
すれ違う人々の中、僕はたった一人の君を見つける。
それはきっと当たり前なんかじゃない、奇跡のようなこと。
僕らの辿るこの路が……恋なんてものに繋がっていたことに気付くのは。
もう少しだけ後のお話…────────
【END】

