白馬に乗った上司様!?
「は?今度は『違う』だと?」

「だから!違うのっ!私の『なんで』は瀬戸くんがなんでここにいるのかって聞いてるの!」

コントみたいな会話を大真面目にしつつ不機嫌そうに眉間にシワを寄せた、目の前の大男を睨みつける。

「うちの会社の従業員でもない瀬戸くんが、昼休みとはいえオフィス内に入ってくるのはマズイんじゃないの?」

「そんなことか。うちの事務所はここと顧問弁護士の契約を結んでいる。なんの問題があるんだ!?」

私より身長が30センチも高いうえに立ったままの瀬戸君から見下ろして話されると、座った私にはかなりの威圧感だ。そのうえ、この上から目線の話し方‥‥‥とりあえず「ごめんなさい」と言いたくなるけど、必死に耐える。

「でもさ、それって直接契約してるのは瀬戸君の上司の弁護士でしょ?瀬戸君じゃないじゃない。」

「ーーーお前さ、弁護士相手に口で勝てると思ってるわけ?」

「‥‥‥」

急に低くなったトーンも、ゆっくりな口調も私を言いくるようとしてる。分かってるけど、今日も私は反論出来なくなる。
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