白馬に乗った上司様!?
ぐーんと伸びをして宣言すると、緑ちゃんが笑いながら帰り支度の手を止めた。

「お疲れ様でした」

「ごめんね。結局、緑ちゃんに迷惑かけちゃったね」

「私は全然。自分の仕事の合間に手伝っただけだし。でもやっぱり、千草先輩の資料作りは凄いですね。勉強になりました」

「え!?な、何言ってるの!私なんてそんなっ‥‥‥」

「そんな事ないです。他の先輩も言ってますよ。千草先輩にお願いした資料は見やすく使いやすいって。言われた事ないですか?」

「それは、まぁ、提出した時にお礼と一緒に言われた事あるけど、あれよ?社交辞令っていうか、話のついで、で」

突然の褒め言葉にテンパって身体の前で手を振ってあわあわと否定する私に、緑ちゃんが深い溜息をついた。

「はぁー‥‥。それ、本気でいってます?」

「うん、勿論だけど」

「‥‥‥先輩。前から思ってたんですけど、先輩は自己評価が低すぎませんか?」

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