白馬に乗った上司様!?
「それにさ、一旦引き受けた仕事を断ったら中村さんヘソ曲げちゃうかもでしょ?そうなったら面倒じゃない」

グズグズ言われたり揉めたりするくらいなら、多少無理しても自分でやってしまったほうがいい。

「それでも納得いきませんよ。怒らない営業の仕事はやらないし、怒る営業の仕事は千草先輩に丸投げなら、中村さん本人は会社で何やってるんでしょう」

「さぁね。それは私も謎だけど、知ってもいい事はないんじゃない?」

きっと楽しくない感情しか浮かばないだろう。

軽く肩をすくめて添付ファイルを開くと、取りなすように緑ちゃんに笑いかけた。

「ほら、緑ちゃんも仕事しよ。今日は朝に報告書纏めないとって言ってたじゃない」

「そうなんですけど‥‥でも!私も手伝います」

「大丈夫。一応、私もお局様って呼ばれる年次だし、これくらい一人でこなせるから。ね?」

ホントはちょっと心もとないけれど、私の断れない性格のせいで緑ちゃんに迷惑をかけるわけにいかない。
カラ元気で言い切って、PCの画面に向き直った。
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