誰かがどこかで救われる
「変に真面目で一生懸命で、大人しいと思ったら急に突き飛ばすような発言するし」
「してないよ」
「した」
「平子君だって、突っ走りキャラだよ」
「心愛だって突っ走るだろ。中原を見る目が違ってたし」
思わず言われて頬がカーッと熱くなった。
「女子に向かって言うセリフじゃないと思う。平子君ってサイテー」
「でた!突き飛ばし」
「だって」
「俺が嫌い?」
早口で私に言う平子君。
ずっと私達は怒ったような顔で怒った声を出している。
それはきっと
互いに緊張しているせいだろう。
平子君なんてモテるから
緊張なんてしないと思ってたのに。
「俺は心愛が好きだよ。そんなとこも……好きだけど」
「私……平子君が思ってるようなタイプじゃないよ。イジイジしてるよ」
ドキドキが止まらないのはなぜだろう。
「どんな心愛でも好き……って、もう好きって言わせるな!恥ずかしすぎる!」
平子君は後ろを向いて
「ああーーーーっ!」と叫ぶ。それを見て笑ってしまう私。
この緊張感あふれる場面で笑ってしまうという
空が青すぎるのが悪いのか
平子君がどんな時も平子君なのが楽しいのか
平子君といると
楽しい。
楽しくてドキドキして
もっと
一緒にいたいと思ってしまう。