誰かがどこかで救われる

席替えは昔ながらのくじ引き。

黒板に四角い机が並んでいて、数字が書いてある。
クジを引いた人は自分の番号を探して、そこに書いてある番号を消して自分の名前を上に書いて速やかに移動する。

大きな身体をガックリさせて
実花は真ん中の一番前の席に自分の名前を書いていた。

「心愛は?私は今回はいい席だったよ」
萌ちゃんが嬉しそうに見せてくれた紙切れのナンバーを追うと、廊下側の後ろから二番目の席。

「いいなぁ」心からそう言うと

「後ろ空いてるから、そこ当てなよ」って軽く言われた。

萌ちゃんの後ろなら楽しいな。
でもくじ運悪いんだよね私。

おそるおそる手を伸ばし
いつの間にかやってきた仲間たちに囲まれてクジを引くと……目の前真っ暗。

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