誰かがどこかで救われる

場所はよかった。

一番窓側の一番後ろの席。
角の端っこ。私の大好きな席。

でも
前の席には伊田君。
その隣の斜め前は平子君。
そして隣は
2学年女子一番人気の中原君。

囲まれてしまった。

よりによって
例の男子三人が固まるなんて
そこに私が加わるなんて

ないない
ありえない

怖い男子に囲まれるなんて

絶対嫌だ!

手元の紙と黒板を交互に見てショックを受ける私。そんな私に実花は興奮して絶叫。

「交換して!お願い心愛。一生のお願い!」

大好きな中原君の隣で、伊田君も平子君も揃ってる。女子としては神席なのだろう。他の女子の目も熱く「いーなー」って誰ともなく小さな声が響いた。
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