銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
俺が塔に閉じ込められていた時も、仲間との連絡を取ってくれてとても助かった。

「いてえ!」と声を上げ、男は目を押さえる。

ヒューゴに気づいて近くで見回りをしていたのか、馬に乗ってゴードンもやって来た。

「ジェイ!大丈夫か!」

彼の背後には数人の部下がいる。

近衛兵を見て俺達を襲った男達は素早く立ち去った。

俺の肩に止まったヒューゴに「奴らを追え」と手を上げて指示を出す。

「今の奴らは?」

馬から下りたゴードンが俺に元に駆け寄る。

「令嬢達を襲った奴がいたみたいだ。寺院で捕らえたはずなんだが……。どこかに裏切り者がいるかもしれない。ヒューゴにあとを追わせたから調べろ」

声を潜めてゴードンに命じると、こいつは真剣な面持ちで頷いた。

「わかった」

「お前の馬を借りるぞ。彼女が怪我をした」

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