銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「こうしてあなたとダンスを踊れたし、いい思い出が出来たわ。コンラッド男爵の元に戻っても忘れない」
エミリー様にも王太子はとてもカッコ良くて素敵な人だったと話して聞かせよう。
意地悪な時もあるけど……。
今日が私の最初で最後の舞踏会。
ひとときの夢の時間。
公爵令嬢に戻るのは今夜だけ。
今を楽しんで一生の思い出にするのよ。
にこやかに言ったのに、なぜか彼は仏頂面になる。
「帰る気満々のところ申し訳ないが、お前を帰す気はない」
「え?」
首を傾げて聞き返せば、彼は突然踊るのを止めて、私の左手を取った。
それが合図だったのか、音楽の演奏もピタリと止まり、ギリアンがやってきてジェイにビロードの箱を差し出す。
その箱の上には宝石が乗っていた。
それは、ジェイの瞳と同じ色をした青い石の指輪。
エミリー様にも王太子はとてもカッコ良くて素敵な人だったと話して聞かせよう。
意地悪な時もあるけど……。
今日が私の最初で最後の舞踏会。
ひとときの夢の時間。
公爵令嬢に戻るのは今夜だけ。
今を楽しんで一生の思い出にするのよ。
にこやかに言ったのに、なぜか彼は仏頂面になる。
「帰る気満々のところ申し訳ないが、お前を帰す気はない」
「え?」
首を傾げて聞き返せば、彼は突然踊るのを止めて、私の左手を取った。
それが合図だったのか、音楽の演奏もピタリと止まり、ギリアンがやってきてジェイにビロードの箱を差し出す。
その箱の上には宝石が乗っていた。
それは、ジェイの瞳と同じ色をした青い石の指輪。